山口氏インタビュー

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【今回のおもしろい人のプロフィール】
山口 紀洋(やまぐち としひろ)氏
早稲田大学政経学部・中央大学法学部卒 弁護士。
50年前から水俣病訴訟を担当。国家を相手に被害者の弁護にあたる。
日蓮宗の僧侶でもある。僧侶として修行を深めるため着の身着のまま渡米。
浮浪者のような格好をして歩いていたところ、警察にピストルを突きつけられたことも。
不思議な、そして、社会派の弁護士。


吉井:こんにちは。
   ごぶさたしています。

山口:ごぶさたです。
   ご活躍のようで、お話を伺いますよ。

吉井:ありがとうございます。
   今日はお時間いただき、とても楽しみにして来ました。
   弁護士という仕事をしながら、
   水俣病訴訟をボランティアで行っていること。

   法律という堅い仕事が専門なのに、
   日蓮宗の坊さんになった事。
   そして、着の身着のままアメリカへ日蓮宗の修行に行って、
   警察にピストル突きつけられる経験をした事。
   今日は、いろんな経験されている山口さんから、
   いろんなお話を伺いたいと思っています。

山口:こちらこそ、よろしくお願いします。

吉井:水俣病訴訟の担当弁護士、
   もう随分長くやってるんですよね?

山口:もう50年です。

吉井:50年もやっているんですか。
   それはすごい。

山口:50年間負け続けてるだけですから(笑)、
   早く勝たなきゃいけないんですけど、
   いつの間にかこんなに時間が経ってしまいました。

吉井:水俣病訴訟を引き受けるきっかけは
   何だったんですか?

山口:何か社会派の理由があれば良いんですけど、
   友人の弁護士誘われたというのが本当のところです。
   「一緒にやらないか?」「おう」と、これだけ。
   流れにそって進んだら、やることになっちゃった。

吉井:流れが大事というのは経営も一緒ですし、
   続く事、うまく行く事は流れの中にあるものですから、
   その話はよくわかります。
   けれど、長い時間を投入したんですから、
   なにか「思うところ」はあったわけでしょう?

山口:やっぱり、「弱いものがいたら、助けになりたい」
   とは、思いました。
   ただ、今振り返っても、「特別なことをする」という
   考えはなかったなと思うんです。そうだな、
   先日、京成線の佐倉でおばあちゃんに席を譲ったんですけど、
   同じことなんです。

吉井:席を譲ったのと一緒かぁ。
   特別なこととではなくて、自分の身の回りのことに
   関わるのと一緒というのは、
   「ものさし」の問題なんでしょうね。


(注)ものさしと言ったのは、価値観のこと。

  いつの間にか自分の「ものさし」から離れてしまうことは、
  少なくありません。世の中には、いろいろな人が、
  「俺って凄いだろう」「わたしって凄いでしょ?」と言って
  近づいて来るからです。
  いつの間にか、そういう言葉に引き寄せられて、本当は
  やりたくないことや、
  自分のものさしでは、本当は大して良いとは思っていないことを
  重視し始めます。
  僕はこれ、とてももったいないことだと思っています。

山口:そう。ものさしです。大事なんですよ。ものさしが。

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