吉井亮介の新刊 3


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インタビュアー - ここからは、具体的に内容をお伺いしたいと思います。
まずは率直に聞きたいと思いますが、今回の本を一言でいうと、どんな本ですか?


吉井 - 一言であらわすなら、マネジメントの常識にアンチテーゼを唱えた本です。
マネジメントには、「カタカナ語」や「アルファベット」の名前のついた無数のカッコイイ理論がありますよね。でも、その理論を学んでいるのに、チームが破綻している例は少なくありません。社内で対立していることがほとんどです。怒りの連鎖と言うか。
この本は、会社内の対立をなくすための本だと言えると思います。


イ - 怒りの連鎖、会社内の対立ですか。


吉井 - はい。会社内の風土を悪くし、生産性を落とす一番の理由は「経営陣と社員」「マネージャーと部下」という縦の対立です。

対立のしわ寄せは「部下」に集まります。部下や社員から、貢献意欲や創造性、働く意思など、仕事をする上で大事なもののほとんどを奪うんです。
社員が「いい仕事をして自分に満足できる『仕事の仕方』や『人とのかかわり』の土台」をマネージャーや経営層等の社内の権力者が、知らず知らずのうちに壊している。
「部下がダメなやつでさー」なんて言いながら、足を引っ張っているのがその人自身で、それに気づいていないことが多いんですね。


イ - 確かに、上司がいやだとか、同僚が嫌だと、会社に行くのさえ嫌になります。
私も経験があります。仕事にも集中できない。


吉井 - 今までの本との一番の違いは、今までの多くの理論は、部下をコントロールするための理論だったと思います。
「どうすれば部下を動かせるか」という哲学のノウハウが書かれていました。
でも、これが間違いなんです。
「僕は上司の思い通りに動かされたい。ロボットか道具、奴隷のように、考えてください」という人なんていないでしょう。

人はコントロールしたい生き物です。だから「部下をコントロールする」内容は脚光を浴びやすいのですが、同時に、人は「コントロールされるとやる気をなくす」生き物でもあります。
正しそうに見えても、そのノウハウを使うと部下のやる気がなくなります。
一般のマネジメント論の中には、大元から方向性が間違っている理論だってある訳です。

あ、これは、マネジメントだけではありませんね。
特にビジネス書には、人をコントロールするための本は多かったと思います。
コントロール発想は、そもそも「対立した関係」の象徴です。僕はこれが大嫌い。人は、本心の本心では対立し勝つことではなくて、人と信頼関係を結んだり、つながりを感じたい存在だと思っているからです。自分を見失っているだけだと思う。
今回の本は、真逆。コントロールを手放す本で、部下に慕われるリーダーになるための「真髄」を書きました。
そう言う意味で、チームの生産性と充実感をともに上げるための本当の話をしたと言えます。

イ - コントロールを手放す本、神髄ですか。


吉井 - 「慕われる」と言うところも大事なんですよ。
高い成績上げるハイパフォーマンスチームと仕事をすると、すぐに気づくことがあります。上司が部下に慕われているケースが多いですからね。


イ - 部下のためにもなるし、マネージャー自身のためにもなる理論なんですね。
もっと具体的な中身を話して頂いても良いですか。


吉井 - 興味を持ってくださったのはうれしいです。
でも、うーん、こまった(笑)。それは、本を読んでほしい。これが正直なところです。「ケチっている」わけじゃないんです。2年のあいだ書けなかった位なので、ここでシンプルに語りにくくて。伝わらないだろうし、誤解されるかもしれない。1冊かけて丁寧に書きましたから、それを読んで欲しいです。
マネージャーの役割にアンチテーゼを言っていますから、おもしろく読んでもらえると思います。


イ - そうですよね。変な質問をしてしまいました。


吉井 - いえいえ(笑)。


イ - 今の話を聞いて思ったのですが、マネージャー以上の人には役立つ内容のように感じます。
タイトルに「新時代の課長の技術」と書いたのはどうしてですか?


吉井 - この本は「アンチテーゼ」だと言いました。これまで長い間権力のある役職についていた人には、素直に受け入れられない可能性もあります。もちろん、成熟した大人の人ならば受け入れられるし、僕のクライアントは経営者ばかりですから、経営者に役立つに決まっていますし、本当に読んでほしいのはえらい人たちなんですけど、受け入れられるかわからない。頭固いと難しいでしょうね。
まあ、だから、念のため(笑)。


イ - アンチテーゼを言うのも大変なんですね(笑)。

つづく


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吉井亮介(著) 1260円(税込)
PHP研究所版 184ページ
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