shin.ei
書道&墨絵アーティスト。書道教師。書道を通じて日本の文化を発信するアーティスト。SNSのフォロワー数は10000名を超える。「Shin.eiの作品は、他と違う。心が通っている」と、世界中にファンを持つ。オランダの美術展覧会に招待されるなど活躍の場を広げる。現在、国内の銀職人や仏具職人とのコラボレーションを進め、新たな書道の可能性を模索している。
- 今日はよろしくお願いします。
早速ですが、shin.eiさんは書道を世界に発信するアーティストです。
アートとコンサルタント。一見「水と油」のようですが、どんなふうに関わっていますか?
私の場合は、仕事で行き詰まった時に相談に乗ってもらっています。
2ー3ヶ月に1度くらいかな。不定期で。
以前から行き詰まると誰かに相談したかったんですが、相談相手がいなかったんです。
それで以前から知り合いだった吉井さんのことを思い出しました。
連絡を取ってみたら、たまたまその日時間があると言うので、すぐに相談乗ってもらいました。
そういう流れにご縁も感じて、お願いしています。
安心して新しいことができる。
吉井さんのおかげです。
- 吉井が関わることで、変化がありますか?
そりゃもう、すごく助かってます。
吉井さんに連絡をした時、本当に行き詰まっていました。やってる仕事に違和感が生まれてきて、これからどうしようかと思っていたんです。
でも吉井さんのコンサルを受けていろいろ話をししていると、不思議と少しずつ方向性が出てきて、いい感じになりました。ほんと吉井さんのおかげです。
それに、アドバイスをしてもらったことに取り組んだら、商品が売れていくんです。インスタグラムの言葉を1行変えるだけで、こんなにアクセス数が変わるんだって、びっくりしました。
そしてなにより大事で一番に伝えたいのは、吉井さんが私の「主体性のスイッチ」を押してくれることです。
- 「がんばれー!」みたいに?
いえいえ。そうじゃありません。もっとホッカイロみたいに温めてくれる感じです。
吉井さんがいてくれて、私がやりたいこと、やってることを受け止めてくれます。吉井さんがいてくれると思うと、そのおかげで、安心して前に進めます。いま、日本の職人さんとの新しいコラボを進めてるんですけど、そうやって新しい動きができるのは、絶対吉井さんのおかげなんです。
アートには、ビジネスが必要。
コンサルタントも、必要。
- shin.eiさんは、アーティストや職人さんにコンサルタントがついたらいいのに、と考えていらっしゃるそうですね。
アーティストさんって、ものを作りたい人たちです。
だからどうしてもビジネスをあと回しにしちゃう。
でも「作ったものは届けたい」。そうすると、結局安売りしちゃうんです。ちゃんとした技術なのに。本当はもっと報酬もらっていいのに。
これじゃいつまでもうまくまわりません。
そういうときに、天の声じゃないですけど、「こうしたらもっとスムーズに行きますよ。きっと楽になりますよ」って経験に基づいてアドバイスをくれる人がいたら、全然変わるはずなんです。
実は、少し前に私が利用していた書道の道具を売っているお店が倒産しちゃいました。
それをみて、私自身も筆を作ってくれる人がいて、硯(すずり)を作ってくれる人がいて、はじめて作品を作れるのを実感しました。
アートの世界は、ちゃんと伝統や歴史の一部として、残らないといけないと思っています。だからそれからずっと、アートの世界みんなで良くなっていったらいいのに、と思っています。
アーティストとか職人さん、アートと関連のある企業に必要なのは、ビジネスのことをよく知っているパートナーだと思います。
- たしかに、いいものを作っているのに広がらないってもったいないですよね。 コンサルタントさんがアートの世界に目を向けることも必要かもしれませんね。
ただ、どんな人でもアーティストのコンサルティングができるかっていうと、そうではないと思います。
まず、吉井さんって、そもそもアートが好きなんですよね。
だから、私の作品にも興味持ってくれる。やっぱりアーティストさんは「大切にしていること」があるから、それを同じように大事に思ってくれるってすごく大切なことだと思います。
- 例えば、shin.eiさんは、どんなことを大切にしているんですか?
例えば私の場合は、作品を通して人と心で繋がること、人の心をあたたかくすることを大事にしています。
もともとこの仕事を始めたのは、2019年にアリアナ・グランデが「Seven Rings」という新曲を出した時に、「七輪」ってタトゥーを入れたことがきっかけなんです。ちょうどやっていた仕事に違和感を感じていた時の出来事でした。
せっかく日本に興味を持って好きになってくれたのに、「七輪」って。。。「それは、魚を焼くグリルのことだよ」ってわかったわけなんですけど、そのできごとがとても悲しかったんです。そのとき「書道と英語で海外だ」って思いました。
だから、作品で言葉を書く時には、言葉の意味も大切にして伝えたり、
作品を作る時に、お客さんがどんな想いを込めたいのかをちゃんと聞いて受け止めたり、
アクセサリーとかでも、日本人が見ても素敵って思えるものにしたいと思っています。
私にとっては、作品と、作品を通じて繋がることが大事なので、どれだけ売れても、もしも買った人とのつながりが生まれなかったら、嬉しくないと思います。
吉井さんは、こういう思いをちゃんと理解して、ビジネスを考える時にも考慮してくれる。
そういう人じゃないと、アーティストとか職人さんのビジネスパートナーは難しいんじゃないかな。
吉井さんは、目線を合わせてくれるし、
うさんくさくない(笑!
- 他にも、アーティストさんがコンサルタントとつきあう時に大切なことってありますか?
あるある。
変な言い方ですけど、吉井さんはうさんくさくないんですよね(笑。
コンサルタントの人って、うさんくさいひとっていません?
なんかこう、口だけ上手そうとか。
「こうすればいいんだよ」ってドヤ顔で当たり前のことを言う人とか(笑)。
そうじゃなくて、吉井さんは「何を大切にしているか、何をしたいかって言う、その人の価値観レベルのこと」に落として、その人にあった目線で話してくれます。
やたら横文字使う人とかいるけど、吉井さんはわかりやすく話してくれるし。目線とか立場を合わせてくれる。
ビジネスにアレルギーを持っている人もいるだろうし、そういうひとが、アーティストさんとか、職人さんにいいんじゃないかなって思う。
もちろん、こちらの話を聞くだけじゃなくて、ちゃんとうまくいくために大切なことを伝えてくれます。
一昨日吉井さんと話す機会があったんですけど、「あんまり売り込みするのは、Shin.eiさんには違和感があるかもしれないけれど、ちゃんと伝えることは伝えないと、お客さんは迷ってしまう。ほしいお客さんにも届きません。それはお客さんにストレスを与えることだと思う。他の誰でもないお客さんのために、必要なことを伝えるようにしませんか」と話してくれました。
過去の事例を出しながらわかりやすく話してくれて、「そうか。自分のためとかじゃなくて、お客さんのためなのか」ってわかって、また一つ変われました。
そういうスイッチをすっすっすっと押してくれる。
- 今後、吉井に期待することはありますか?
私本当に、多くのアーティストさんをたすけてあげてほしいです。
私も、陶芸とか銀職人とか友禅とか、いろいろな職人さんとおつきあいしていますけど、みんな全然違う価値観や悩みを持っています。それをサポートできるのは吉井さんなんじゃないかって思います。